2017.3.2
組子には意味を持つ文様が存在します。
文様の意味や由来を知ることで組子細工に思いを巡らせる。
和文化が生み出すそんな奥深さが、伝統工芸の魅力のひとつでしょう
麻の葉―ASANOHA―
代表的和柄の麻ノ葉模様は、組子の中でも最もポピュラーな文様ではないでしょうか。
麻は成長が早く、丈夫でまっすぐ伸びることから、麻ノ葉模様は子供の健やかな成長を願って産着や着物に多く使われました。
また、古来より神聖な植物とされてきた麻には悪運を払い除く効果があるとして、魔よけの意味でも使われていたようです。
縁起のよい模様というのは、こういった風習が受け継がれてきたものです。
その文様が意味するものは、「子の成長と幸せを願う親心」
子供が大きくなるに連れ、親がしてあげられる事は少なくなっていきます。
しかし、子を支えたい、守りたい気持ちはいくつになっても変わることはありません。
言葉では伝え切れないその想いを、人は麻の葉模様に託したのでしょう。
組子の中には、この麻ノ葉を基本とした麻の変形模様が多く使用されています。
そんな麻ノ葉の「くみことば」は
“あなたを陰ながら支えていきたい”